Column
2026
.
5
.
11

【カーボンクレジットを学ぼう】第5章-2 クレジットはどこで管理される?― レジストリ(登録簿)と“償却(使った印)”

第5章-2:クレジットはどこで管理される?― レジストリ(登録簿)と“償却(使った印)”

クレジットは“証明書”です。でも紙の証明書を持ち歩くのは危ないし、偽造もされやすい。そこで現代のクレジットは、基本的に デジタルで管理されます。その中心が レジストリ(登録簿) です。
中高生向けにたとえるなら、レジストリは 「クレジットの銀行口座」 みたいなものです。お金の残高が銀行のシステムに記録されているように、クレジットも「誰がどれだけ持っているか」がレジストリに記録されます。

1) レジストリがやっていること(超重要)

レジストリの役割は、主にこの4つです。

  1. 発行(Issuance):クレジットを生み出して口座に入れる
  1. 移転(Transfer):売買で持ち主を移す
  1. 保有(Holding):誰が持っているかを記録し続ける
  1. 償却/リタイア(Retirement):使ったクレジットに“使用済み印”を押して二度と使えないようにする

特に4つ目の 償却(しょうきゃく) がめちゃくちゃ大切です。
なぜなら、クレジットは「使った」と主張するなら、その分を市場から消す必要があるからです。これをしないと、同じクレジットが何回も使われてしまいます。
たとえるなら、ちょっと古いかもしれませんが、映画館やライブのチケット。入場するときにチケットを“もぎる”から、同じチケットで何回も入れませんよね。クレジットの償却は、それと同じ役割です。

2) シリアル番号で“1枚ずつ”管理する

クレジットには、全世界で一つしかない シリアル番号(通し番号)1トンごとにつきます。これがあることで、

  • どのプロジェクトで生まれたか
  • いつ発行されたか
  • 今の所有者は誰か
  • すでに償却されたか

が追跡できます。
中高生向けに言うと、これは「学生証番号」「受験番号」に近いです。番号があるから、取り違えが起きにくくなります。

3) 二重カウントを防ぐ“帳簿のルール”

レジストリの価値は「改ざんしにくい記録」にあります。ここで問題になるのが 二重カウント
同じ削減を2回カウントしたら、地球のCO₂は減っていないのに、書類上だけ“減ったこと”になってしまう。だからレジストリは、“世界の帳簿”を整える装置でもあります。 この帳簿をさらに強くするために注目されるのが ブロックチェーンです。
ブロックチェーンは、簡単に言うと「みんなで同じ記録を共有して、後から書き換えにくくする仕組み」。ただし、ブロックチェーンを使えば何でも解決!ではありません。大切なのは、入力するデータが正しいこと。間違ったデータを入れたら、強固に“間違いが保存”されてしまいます。だからこそ、5-1のMRVが土台になります。

4) “見える化”が進むと、信頼は上がる

レジストリが整うと何が良いのか。大きく3つあります。

  • 透明性:どこで生まれ、どこへ行き、使われたかが追える
  • 安心感:自分のクレジットが適切に管理され、二重使用が起きにくい
  • 比較:クレジットを、特徴をもとに選びやすくなる

将来は、スマホで「この商品が使ったクレジットはどこの森林?」まで見える時代が来るかもしれません。そうなるとクレジットは、ただの数字ではなく、「物語のある証明書」になります。

Related

Press Release

Agreement with Ishikawa Prefecture on J-Credit Creation and Partnership with the Carbon Synergy Consortium

Press Release

Creattura Selected for Gunma Prefecture’s Green Innovation Subsidy Program

Press Release

Creattura Selected for JETRO’s GSAP 2026 Sustainability Cohort

Press Release

Creattura and IRRI Sign First Partnership under AGRI Project to Advance Low-Emission Rice Farming

Contact Us
Next button

For service inquiries and consultations, click here.